健康診断の結果でγ-GTPの数値が高い時は、実はお酒だけが原因ではありません。
γ-GTPの数値が上昇する原因としては、アルコール以外では、脂肪肝や肝炎、薬の摂取や胆道系疾患など様々な理由が考えられます。
γ-GTPと様々な肝臓疾患の関係
以下のような肝臓疾患でも、γ-GTPの数値は上昇します。
- 急性肝炎
- 慢性肝炎
- 薬剤性肝障害
- アルコール性肝炎
- 非アルコール性肝炎
- 自己免疫性肝炎
- 胆道系疾患
- 脂肪肝
- 肝硬変
- 肝がん
肝炎
肝炎のウイルスキャリアの人がお酒を飲むと肝臓障害が起こることがあります。
A型肝炎は生の魚介類などから感染例が多く、東南アジアで流行しています。B型肝炎は主に母子感染、C型肝炎は血液を通じて感染します。
日本で多い肝炎は、B型肝炎とC型肝炎です。
薬剤性肝障害
薬の摂取で肝機能が低下するのが、薬剤性肝障害です。主に、抗生物質・鎮痛解熱薬・向精神薬・睡眠薬関連の薬の服用で起きやすいのが特徴です。
ただし、肝臓で薬を代謝・分解する能力は個人差が大きいので、どんな薬を服用しても、薬剤性肝障害が起きる可能性はあります。
アルコール性肝炎
健康診断の問診で、お酒の飲む日や量が多いと申告すると、真っ先に疑われるのが、アルコール性肝炎です。
禁酒が効果的でしょう。(わたしは禁酒出来ませんでしたが・・・)
放置していると、アルコール性肝硬変へと病状が悪化する場合があります。
非アルコール性肝炎(NASH)
お酒をまったく飲まない人で、γ-GTPの数値が高い場合は、非アルコール性肝炎の可能性があります。
かかりやすい人の特徴としては、
- BMI値25以上
- 中年以降の女性に多い
- 糖尿病を併発することも
治療方法としては、初期のうちに食事療法と運動で体脂肪を減らして減量するのが効果的です。
自己免疫性肝炎
体外から最近やウイルスが侵入したときは、自己の免疫機能が働きますが、これがなんら異常がない自分の肝臓への攻撃に向かってしまうのが、自己免疫性肝炎です。
中年以降(50歳から60歳前後)の女性に発病が多いとされる難病です。
胆道系疾患
胆道系は肝臓で作られた胆汁を十二指腸に排出する通路です。この中に胆石などの疾患がある場合も、γ-GTPの数値は高くなります。
脂肪肝
脂肪肝の三大原因は、
- 肥満
- アルコール
- 糖尿病
と言われています。メタボ体型の方は要注意ですね。
中性脂肪やコレステロール値も高い方は、脂肪肝の可能性があります。放置しておくと、悪化して動脈硬化や脳疾患、心疾患の原因ともなります。適切な体重コントロールが必要でしょう。
患者数がとても増えてる病気です
病院で適切な検査を
γ-GTPの数値が100以上なら要注意!
以上のように、γ-GTPの数値が高くなる原因は色々あります。放置しておくと、肝硬変から肝がんへと悪化してしまう事にも!
数値が高い場合は、医療機関で適切な検査を受診される事をオススメします。
(つづく)